
この本について
人と関わるとき、相手に合わせすぎて疲れたり、逆に「受け入れられない自分」に落ち込んだりしませんか。頭ではバランスと言いながら、心の方がついてこない日も多いと思います。僕もそうで、つい他人の価値観をそのまま飲み込み、自分の軸がどこにあるのか分からなくなることがあります。 『今あるものに気づきなさい』は、その迷いを力づくで解決する類の本ではなく、視点を半歩だけずらしてくれる一冊でした。たとえば「相手のすべてを受け入れなくていい」という言葉は、人付き合いの正解を示すというより、自分の体力で関われる範囲を思い出させてくれる感じがあります。また、三匹の猿の話のように、他者の恩を忘れがちな自分にも静かに向き合わせてくれます。誰かに奪われた記憶ばかり残るのは人間の性だけど、そのままだとずっと苦しいよね、という距離感で語りかけてくれるのが特徴です。 もう一つ、この本が手放しで前向きになれと言わないところも救いでした。変化は自然の流れだから少しずつでいいし、緊張しながら踏み出した一歩も立派だと教えてくれる。受け入れられない現実や執着にしがみつく自分を責めずに、今、持っているものを丁寧に扱う方向へそっと戻してくれます。 自分のペースで心の整理をしたい人、誰かに振り回されている気がしてしんどい人に、とくにしみると思います。
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