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東京結合人間 (角川文庫)

東京結合人間 (角川文庫)

白井 智之

累計読者数3
平均ハイライト数 1件/人
star総合評価 26/100
boltライト読書型

この本について

日々、人間関係とか職場の力学に振り回されて、「自分が見ている世界って本当に正しいのか?」みたいな不安がふっと顔を出すことがあります。相手の思惑を読み違えていたり、自分だけ別のルールで動いていたりする感覚って、意外と誰でも持っているものだと思います。 『東京結合人間』を読んでいて、保存された「斯界」という一語や、ダミーの手足と本物の身体が連動して“八本足の人間”が歩く描写に刺さった人は、おそらくこの「世界の仕組みが自分の理解の外側にある感じ」に触れたからだと思います。本作は奇抜さで押すタイプのミステリに見えて、その裏で、人が属するコミュニティや業界がどれだけ独自の論理で動いているかを静かに見せてきます。自分がいつの間にか “別の手足” まで動かされていたような、そんな感覚に心当たりがあるなら、妙に沁みるはずです。 効き方としては、まず「組織や業界が持つ異様な慣習」を、現実より少し誇張した形で突きつけてくるので、普段スルーしていた違和感が浮かびやすくなります。それから、人物たちがその異様さに気づいたり、逆に飲み込まれたりする姿を追うことで、「自分ならどう立ち回るか」を自然と考えさせられます。さらに、奇抜な設定が単なるショックではなく、人と人の結びつきの歪みを可視化する装置として働いているので、現実のコミュニティとの距離感を見直すきっかけにもなります。 慣れきった世界の“理不尽な構造”を一度ズラして見たい人に刺さる作品です。

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