
この本について
仕事や日常で「この問題、そもそも何が問題なのか?」というところから迷子になること、わりとあると思います。自分では筋道を立てて考えているつもりでも、どこかで前提が曖昧だったり、言葉の使い方がふわっとしていたりして、気づくと同じ場所をぐるぐる回っている感じになる。僕もそこから抜けられずに、結局考えること自体が嫌になる時期がありました。 『言語哲学大全I』は、その「ぐるぐる」をいったん止めてくれるタイプの本です。抜粋にもある通り、ここで扱われているのは派手な思想ではなく、「言葉をどう扱うと、問題そのものが変わって見えるのか」という視点です。たとえば「存在する」とは一階の述語ではなく二階の述語だという話や、概念が従う規則は天体の規則とは全く別物である、という具体的な区別は、普段なんとなく信じていた思考の前提を静かにひっくり返します。また、文を理解するとは「どの条件でそれが真になるかを知っていること」という説明も、考える手がかりを一段引いて見る感覚を与えてくれます。 誤解のないように言うと、この本を読んだから人生が急にクリアになるわけではないです。ただ、問題が「解けない」のではなく「そもそもどう見るか」が定まっていなかっただけ、という場面が確実に減ります。概念・規則・指示といった地味だけど避けて通れない基礎を、ちゃんと扱えるようになる。思考の足場が固まる感じがあるんですよね。 自分の思考の曖昧さに薄々気づいている人、そしてそこから抜けたいけど何をどう整えればいいのか分からない人に刺さる本だと思います。
読んだ内容を、もう忘れない。
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