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夏期限定トロピカルパフェ事件 小市民シリーズ (創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 小市民シリーズ (創元推理文庫)

米澤 穂信

講談社 / 202602

累計読者数5
平均ハイライト数 9.6件/人
star総合評価 49/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 65%

この本について

人間関係って、表ではニコニコしているのに、その下で何を考えているのかまったく読めないことがありますよね。仲がいいのか距離があるのか、自分がどう振る舞えばいいのかもよくわからなくなる。相手を信じたい気持ちと、どこかで警戒している自分の両方がいて、少ししんどくなるあの感じです。 『夏期限定トロピカルパフェ事件』の抜粋を見ていると、読者が惹かれているのは「嘘の層をまといながらも、誰よりも怖さと孤独を抱えている小佐内さん」という部分なんだと思います。彼女の復讐心の鋭さよりも、その裏にある“怖いから嘘をつく”“強がりながらも傷つく”という弱さに触れたとき、急に物語の温度が変わる。自分が相手の表情の変化に気づけなかった経験や、相手の本心を誤解していた瞬間が思い出されて、読み手の胸がざわつくのだと思います。 この本が効くのは、関係の距離感に悩んだり、人の「表向き」と「本音」の差を前に立ち止まることが多い人です。作中で小鳩くんが、集中しすぎず、でも緊張を手放さずに真相へたどり着くように、読んでいくうちに自分の人間関係の見え方がじわっと変わります。相手の行動の裏にある“怖さ”や“願い”を想像する余白を持てるようになるというか、距離の取り方が少しだけ柔らかくなる感覚があります。 刺さるのは、「他人の本心が読めないと感じている人」。物語としてもちろん面白いですが、それ以上に、自分の目の前の人をどう見るかがそっと整っていく一冊でした。

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