
されどわれらが日々── (文春文庫 し 4-1)
柴田 翔
文藝春秋 / 1974-06-25
累計読者数4
平均ハイライト数 4.5件/人
推定読了時間 約2時間31分
star総合評価 56/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 90%
この本について
最近、過去の選択を思い出しては「もっと上手くできたんじゃないか」と立ち止まることが多いかもしれません。仕事でも人間関係でも、あのときの自分を否定したくなる瞬間ってありますよね。でも否定しすぎると、今の自分がどこに立っているのかもわからなくなる。そんな揺れを抱えたまま毎日を続けていると、ふと疲れてしまいます。 『されどわれらが日々──』は、そういう“揺れ”を急に解決してくれる本ではありません。ただ、過去を手放すか抱きしめるかではなく、「それを抱えたまま生きていける」という視点をそっと置いてくれます。人は間違いの上にしか進めないし、それでも進もうとするからこそ次の季節が巡る。この小説の人物たちが不器用に歳を重ねていく姿を読むと、自分の時間の流れも少しだけ許せるようになるんですよね。惚れることや、誰かと関わり合うことを「そういう事態を認めること」と描く場面もあって、人との距離の取り方に悩んでいるときには思わず手が止まります。 とくに「昔の自分を否定しきれないまま、大人としてどう振る舞えばいいのか悩んでいる人」には強く響くと思います。焦って答えを出さなくても、季節みたいに何度もやり直せる。そんな静かな実感をくれる一冊でした。
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出版社による紹介
私はその頃、アルバイトの帰りなど、よく古本屋に寄った。そして、漠然と目についた本を手にとって時間を過ごした。ある時は背表紙だけを眺めながら、三十分、一時間と立ち尽した。そういう時、私は題名を読むよりは、むしろ、変色した紙や色あせた文字、手ずれやしみ、あるいはその本の持つ陰影といったもの、を見ていたのだった。(本文より)憂鬱ななかにも若々しい1960年代の大学の青春を描いた、この時代を象徴する歴史的青春小説。第51回芥川賞受賞作。
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