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平台がおまちかね 井辻智紀の業務日誌 (創元推理文庫)

平台がおまちかね 井辻智紀の業務日誌 (創元推理文庫)

大崎 梢

累計読者数3
平均ハイライト数 2件/人
star総合評価 38/100
boltライト読書型

この本について

仕事のなかで「この作業、誰のためにやってるんだろう」とか、「正解が見えないまま時間だけが過ぎる感じ」が続くと、気持ちがすり減ってきますよね。私も本に関わる仕事をしているわけではないのに、日々のタスクに追われる感じだけは同じで、視野が狭くなっていると気づけないことがよくあります。 『平台がおまちかね』を読んでいて印象的だったのは、糸魚川のガイドブック一冊にしても、明林の棚づくりにしても、必ず誰かの「手」が通っているという描かれ方でした。智紀が出版社・佐伯書店から来た真柴と関わりながら、一冊の本がどう扱われ、どう並べられ、どう届いていくのかを淡々と追いかけていく。その流れを眺めていると、自分の仕事も同じように、目の前の小さな段取りにちゃんと意味があるんじゃないか、と少しだけ呼吸が整う感じがあります。 この本が効くのは、派手な逆転や劇的な成長ではなく、日々の仕事の「手触り」をもう一度思い出したいときです。人の顔が見えないタスクに疲れているときでも、目の前の一つひとつの仕事がどこかにつながっていく感覚を、無理なく取り戻せます。特に、地味な作業ほど大事だと頭では分かっているのに、気持ちがついてこない人にはぴったりです。 一冊の本の行方を追う物語ですが、読んでみると、自分が日々やっていることにも小さな流れがあるんだと静かに気づかされます。そんな実感を求めている人に刺さる一冊です。

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