
陰の実力者になりたくて! 03
逢沢 大介、東西
KADOKAWA / 2019-07-26
この本について
最近、人間関係でも仕事でも、「自分の役割ってこれで合ってるのかな」とふと立ち止まる瞬間が多いです。表では普通に立ち回っているつもりでも、胸の奥ではもっと違う生き方を選びたい気持ちがうずいていたりします。でも、その“うずき”に名前をつけるのって案外むずかしいんですよね。 『陰の実力者になりたくて! 03』を読んでいて刺さったのは、読者の多くが保存していたあの乾いた心臓の描写や、狐族が独自の言葉で事実を語るシーンでした。グロテスクな場面なのに、どこか自分の内側にも似たような「干からびたなにか」が転がっている気がして、妙に静かに響いてくるんです。自分でも気づいていなかった欲望や葛藤を、物語の異形たちが代わりに引き受けてくれる感じがあるというか。しかも、彼らは大げさに世界を救おうとはしていなくて、ただ自分の役割を勝手に解釈して、勝手に動いていく。その“肩の力の抜けた本気さ”が、今の自分には心地よかったです。 もうひとつは、部族同士の信頼や、「この人なら任せていい」と思える瞬間が丁寧に描かれているところ。月丹が狐族を安心させる場面のように、言葉そのものよりも“態度”で空気が変わっていく描写が多くて、現実のコミュニケーションでもこういう微妙な気配が大事なんだよな、と静かに思い出させられます。 派手なアクションの裏で、ひっそり自分の軸を探している人に刺さる一冊です。自分の中の“まだ言葉にならない部分”と向き合いたいときに、距離感よく寄り添ってくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
読書の順序
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