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生き残った帝国ビザンティン (講談社学術文庫)

生き残った帝国ビザンティン (講談社学術文庫)

井上浩一

累計読者数3
平均ハイライト数 13件/人
star総合評価 48/100
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この本について

最近、歴史を眺めていても現代のニュースを見ていても、「結局、社会はどうやって変わるのか」「権力と民衆の関係ってそんなに単純じゃないよな」というモヤモヤがずっと残ることがあります。民衆は常に変革を求めているわけでもないし、権力者が全能に見える瞬間ですら、次の瞬間には批判の対象になる。そういう揺らぎの中にいると、自分の立ち位置まで曖昧になるんですよね。 『生き残った帝国ビザンティン』は、そのモヤモヤに変な決めつけを与えず、むしろ「社会ってこんなふうに変わるのか」と静かに視界を広げてくれる本でした。たとえば、ローマ帝国が一千年のあいだ“生き延びた”のは、伝統を守ったからではなく、むしろ脱皮し続けたからだという視点。昨日と同じことでは今日を守れない時、人々は試行錯誤しながら社会を作り変えていくのだと、すごく具体的に描かれています。また、民衆が常に革命を求めるという神話を否定しつつも、歴史が本当に動くときには、支配層だけでなく民衆の行動が重なった瞬間なのだという説明が腑に落ちます。さらに、「建前」がただの虚構ではなく、一度でも現実に実現されたからこそ千年保ち得たという話は、制度や組織に向き合うときの見方を変えてくれます。 歴史の話なのに、組織の空気や社会の“変わらなさ”に悩む時にじわっと効く本です。特に、変化を信じたいけれど単純な物語では納得できない人に刺さると思います。

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