
夢中になれる組織の科学 働きがいのメカニズムを解き明かす
小島 玲子
日経BP / 2025-07-04
この本について
仕事は嫌いじゃないのに、なぜか気持ちが乗らない。忙しさのわりに成長している実感が薄い。組織の方針を聞いても、自分ごとにならない。そんなモヤモヤを抱えたまま働いている人、多いと思います。僕自身もずっとその一人で、「頑張っているのに報われてない感じ」は何度も味わってきました。 この本がおもしろいのは、働きがいを「根性論」でも「制度の一覧」でも語らず、人の欲動や成長の仕組み、さらにはストレスとの向き合い方までデータと実例で立体的に示してくれるところです。たとえば、知識やスキルを使えていても、挑戦度合いが低いとワークエンゲージメントは上がらないという分析は、自分の停滞感の理由を説明してもらったような気持ちになりました。逆に、ストレスがあっても「害だと思っていない人」の方が死亡リスクが低いという研究には、肩の力が抜ける感覚がありました。 もう一つ、丸井グループの事例が印象的で、人材投資を「育てて辞められたら損」ではなく「市場価値の高い人が育つ組織こそ強い」と再定義する姿勢が、組織と個人の関係を考え直す良いきっかけになります。「手挙げ文化」や「確保の時間」のように、具体的にどう自己主導性を支えるかまで踏み込んでいるので、ただ理念を語るだけの本とは違います。 組織にいる以上、迷いは消えません。でもその迷いをどう扱うかで、働き方はだいぶ変わる。本書は、そこにヒントがほしい人に静かに効いてくるタイプの一冊だと思います。
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多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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