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サイゴンから来た妻と娘 (文春文庫 こ 8-1)

サイゴンから来た妻と娘 (文春文庫 こ 8-1)

近藤 紘一

文藝春秋 / 1981-07-25

累計読者数5
平均ハイライト数 2.8件/人
推定読了時間 約3時間5分
star総合評価 43/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 50%

この本について

最近、ニュースを見ていて「自分が何を基準に判断しているのか」がよく分からなくなることがあります。国際情勢でも、身近な人間関係でも、見えているつもりで見えていなかったり、都合よく流れに乗っているだけだったり。頭では分かっていても、足元の感覚がつかみにくい、あの感じです。 『サイゴンから来た妻と娘』を読むと、そのモヤモヤに少し輪郭がつきます。著者がベトナム戦争末期を生々しく描く中で、国や社会が揺らぐ瞬間に、人が何を信じ、何を手放し、何にすがるのかが露わになっていきます。日本の世論に対する鋭い指摘や、「国民は自分のレベル以上の政府を持てない」といった言葉は、今の自分の暮らしにも無関係ではいられません。また、文化の違いを前にした家族の揺れや、生活の小さな選択がどれほど「生きるための知恵」なのかもじわじわと伝わってきます。 大上段に構えた教訓があるわけではありませんが、一つの社会が崩れゆく場面に立ち会った人の視点は、自分の日常を少し違う角度から見せてくれます。身軽に判断したつもりで実は何も見ていなかったかもしれない、そんな感覚をそっと刺激してくれます。 「自分の価値観が何でできているのか、一度立ち止まって確かめたい人」に、静かに刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

戦火のサイゴンで日本の新聞記者が、大輪の花のような笑顔に惹かれて子連れのベトナム女性と結婚した。サイゴン陥落後、日本に移り住んだ親子3人だったが、妻のベトナム式生活ぶりと子育て方はまったく変わらず。親に絶対服従のスパルタ教育にショックを受け、可愛いペットのウサギ料理に度肝を抜かれ……毎日のように巻き起こる小事件を通して、アジア人同士のカルチャーギャップを軽妙な筆で描く。大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。
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