
妖怪アパートの幽雅な日常5 (講談社文庫)
香月日輪
講談社 / 2011-01-14
この本について
人付き合いでモヤっとするときってありますよね。相手の言葉に振り回されたり、「なんでこんなことで疲れてるんだろう」と自分でも理由がわからなかったり。真面目にやってるつもりなのに、世界の見え方が狭くなっている気がする時期、僕にもけっこうあります。 『妖怪アパートの幽雅な日常5』を読むと、そんな行き詰まりに少し風が通る感覚がありました。住人たちは、深刻になりすぎず、でも投げやりでもなく、人生をちゃんと“味わって”いる人たちなんですよね。うまいものでも、仕事でも、人間関係でも、力みなく楽しむ姿勢がさらっと出てくる。現実の僕らとは世界が違うようでいて、「ああ、こういう余白の持ち方なら真似できるかも」と思わせてくれる距離感があります。 それに、抜粋にもあるように、人の見方がひとつに固まってしまう怖さをやさしく突いてくるんですよ。相手の一面だけを見て決めつけること、自分が期待していた像と違う面を見せられたときに悪いほうへ解釈してしまうこと。ここが変わるだけで、人間関係の息苦しさが少し解ける。心理操作をさらっと扱う場面なんかもあって、「あ、これ仕事でも使われてるやつだ」と気づかされるのも面白いところです。 真面目に生きてきたぶん、価値観の幅を増やしたい人、もっと肩の力を抜いて他人と向き合いたい人に特に刺さる巻だと思います。僕自身、読んだあとに「世界は勝手に狭めなくてもいいんだな」と、少しだけ呼吸がしやすくなりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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