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隻眼の少女

隻眼の少女

麻耶 雄嵩

累計読者数3
平均ハイライト数 149件/人
star総合評価 66/100
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この本について

日常でふと、「自分の立っている場所って本当に正しいのか?」みたいな感覚に襲われることがあって。関わりすぎても面倒だし、距離を置きすぎると逆に怪しまれる。人間関係って、その微妙な立ち位置の調整ばかりで疲れてしまうことがあります。『隻眼の少女』の抜粋を眺めていると、まさにその“曖昧な立ち位置で揺れる感覚”に刺さって保存している人が多いように思いました。 この物語はミステリなのに、事件そのもの以上に、登場人物たちがそれぞれ「見たくない現実」とどう距離を取ろうとするかが丁寧に描かれます。例えば、静馬が父親の何気ない一言で真実を知ってしまう場面。関わりたくないのに、知ってしまったことで無視もできなくなる、あのどうにも逃げ場のない感じがとてもリアルです。また、村の伝承や家の力関係に翻弄される人たちを見ると、外側からは理不尽に見えるしがらみの中で、誰もが苦し紛れに選択しているだけなんだと気付かされます。事件の真相を追う過程も、推理を解く爽快感というより、「人ってこんなふうに嘘をつくし、弱さを隠すんだな」という実感の方が残りました。 ミステリとしてだけでなく、自分の立ち位置や他人との距離感に悩む人ほど、この作品の空気がしっくりくると思います。丁寧に積み重ねられた痕跡を追いながら、読み終えたあとにじわっと心に残るものがあるので、すぐに答えがほしい人より、ゆっくり考えたいタイプの人に特に刺さる一冊です。

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