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Another【上下合本版】 (角川文庫)

Another【上下合本版】 (角川文庫)

綾辻 行人

KADOKAWA

累計読者数4
平均ハイライト数 15件/人
推定読了時間 約9時間42分
star総合評価 57/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 39%

この本について

仕事でも人間関係でも、「今、どこまで踏み込んで知るべきか」とか、「知らなければ楽なのに、でも知らないままでいるのも落ち着かない」という場面ってありますよね。僕自身、その境界をつかめなくてしんどくなることが多いんですが、『Another』を読んでいると、その“タイミング”のズレがどれだけ世界の見え方を変えてしまうかを、物語の形で突きつけられます。 読者の方が残していた「知るタイミングっていうのがある」「気にしてるでしょ、それ」という抜粋には、まさにその揺れが出ていて、物語における怪異よりも、登場人物たちが“知らないことに耐えられない気持ち”に引きずられていく様子が刺さったのかなと感じました。クラスで毎月起こる死の理由を急いで掘り起こそうとするほど状況が悪化していくのは、現実でも、焦って答えに飛びつくと判断を誤る瞬間に近いものがあります。逆に、何気ない「チーズ」の笑顔とか、誰かの名前をたしかめる会話みたいな細部にこそ、見えていなかった前提が隠れているんですよね。 この物語が効くのは、恐怖よりも「自分の判断の癖をいったん置き直してみたい」と思っているときです。曖昧な違和感を放置したまま動くとどうなるか、逆に、無理に確かめにいくと何を失うのか。そのバランス感覚を、小椋や鳴たちのやりとりを追いながら、自分の生活に重ねて見直すきっかけになると思います。「情報との距離を測るのが苦手な人」には特に刺さるはずです。 怪談として読むよりも、“判断の流れが歪んだときに世界はどう見えるのか”を描いた物語として読むと、日常の小さな選択にもすっと入り込んでくる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げ、次々と死者が……。この“世界”で起きている、謎と恐怖に満ちたある不可解な〈現象〉とは――? ※本電子書籍は『Another (上)』『Another (下)』全2冊を1冊にまとめた合本版です。
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