
それまでの明日 (早川書房)
原 りょう
早川書房 / 2020-09-03
累計読者数4
平均ハイライト数 2.8件/人
推定読了時間 約5時間32分
star総合評価 43/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 50%
この本について
仕事でも人間関係でも、表に出てくる情報より「その裏で何が動いているのか」が気になってしまうときがあります。相手の言葉は普通なのに、どこか違和感だけが残る。事情を知っているようで、実は何も知らない。そういうモヤモヤにぶつかった日の帰り道に、ふと読みたくなるのが『それまでの明日』でした。 読者の方が保存していた抜粋を見ていると、細かな会話や情景の“引っかかり”に反応しているように感じました。表向きは普通のやり取りなのに、言葉の端や人物の組み合わせに妙なズレがある。探偵がその違和感を無理に断言せず、煙草をくゆらせながらただ観察するだけの場面が続く。こういう「判断を急がず、まず世界の密度を受け止める」姿勢に、救われる人は多いはずです。 この作品は、謎解きだけを追うというより、登場人物の生活や事情が少しずつ重なり合って、思わぬところで輪郭を変えていく過程にこそ手応えがあります。夕闇の街を歩くシーンのように、見えるものと見えないものの境目がゆらぐ時間が丁寧に描かれていて、自分の判断基準も揺らぐ。でも、その揺らぎを受け入れることでしか辿り着けない理解があることも、じわじわ伝わってきます。 「人の言動の違和感を、すぐに結論づけられないまま抱えている人」にとくに刺さる一冊です。
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出版社による紹介
私立探偵・沢崎のもとに望月皓一と名乗る金融会社の支店長が現われ、料亭の女将の身辺調査をしてほしいという。が、女将は既に亡くなっており、顔立ちの似た妹が跡を継いでいた。調査対象は女将か、それとも妹か? さらに当の依頼人が忽然と姿を消し、沢崎はいつしか金融絡みの事件の渦中に。「伝説の男」の復活に読書界が沸いたシリーズ長篇第5作。文庫化に際し14年間の沈黙と執筆の裏側を語る「著者あとがき」を付記(電子書籍版にも収録)。
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