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騎手の一分 競馬界の真実 (講談社現代新書)

騎手の一分 競馬界の真実 (講談社現代新書)

藤田伸二

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この本について

競馬って、テレビで見ている以上に「見えない力学」が動いているんじゃないか……と感じている人、多いと思います。頑張っている騎手ほど簡単に乗り替わりになったり、強い馬に乗れるチャンスが偏ったり。その理不尽さにモヤモヤするけれど、外からは仕組みがよく分からないまま終わってしまう。僕自身もずっと同じ気持ちでした。 この本は、そういう“外から見えない領域”を、藤田伸二さんが実体験ごと切り開いてくれる一冊です。たとえば、今の競馬界でどれだけエージェントの影響力が大きいのか。若手が鞭を持ち替えられるかどうかで、右回り・左回りがハンデになる現実。あるいは、馬の餌や調教の細かい変化まで、勝負の裏側が生々しく語られています。読みながら、「ああ、競馬ってこういう積み重ねで成り立っていたのか」と視点がガラッと変わりました。 そして、騎手の身体感覚の話がとにかくリアルです。自ら手前を替える馬の話や、最後に“弓矢を放つ”ように手綱を緩めた一瞬の判断など、結果だけでは分からない技術が、ふっと腑に落ちるように描かれています。勝敗の裏側にある緊張感――GⅠよりトライアルのほうが怖い、という言葉も印象的でした。 表に出ない事情込みで、競馬をもっと立体的に理解したい人に刺さる本です。僕自身、競馬を「結果のスポーツ」ではなく、「積み重ねのスポーツ」として見るようになりました。

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