
ニッポンの書評 (光文社新書)
豊崎 由美
この本について
仕事でも趣味でも、誰かに本をすすめようとすると「で、何がそんなにいいの?」と詰まってしまう瞬間ってありますよね。自分では確かに良いと思っているのに、言葉にしようとすると空回りしたり、逆に知ったかぶりみたいになったり。そのモヤモヤ、けっこう放置しがちですが、実は読む側にも書く側にもじわっと影響している気がします。 『ニッポンの書評』は、そういう“伝えるときの違和感”を丁寧にほどいてくれる本でした。抜粋にもありますが、著者はまず「書評は読者に向かって書かれなければならない」と言い切ります。たとえば、自分の知識アピールに走りがちな“オレ様書評”への違和感を、そのまま言語化してくれるのがありがたいところ。そしてもうひとつ刺さったのは、ひとつひとつの言葉に読者を先へ進める力があるか、という視点。派手な事件がなくても進ませてしまう文章ってなんだろう、と自然に考え始めてしまいます。 さらに、「三〇〇字で書いても三万字で語れるだけの裏付けを持つ書き手でありたい」という話は、文章の長さに逃げない姿勢としてかなり現実的でした。要は“短くまとめる技術”ではなく、“短く書いても背後に積んだ読み込みがあるかどうか”を問われている。その視点は、SNSで何かを紹介する人にはかなり効くはずです。 こんな人に刺さると思います。自分の文章がどこか軽く見える気がしている人、あるいは「伝える」ってどういう行為なんだろうと立ち止まりたい人。読書の快楽を守りながら書くとはどういうことか、一緒に考えるきっかけになります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの43%が集中しています。
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