
「売り言葉」と「買い言葉」 心を動かすコピーの発想 (NHK出版新書)
岡本 欣也
NHK出版 / 2013-07
この本について
仕事でも日常でも、何かを伝えたいのに「言葉がどうもしっくりこないな…」と悩むことがあります。自分では考えているつもりでも、気づけば一般論に逃げていたり、誰に向けて書いているのか曖昧になったり。僕もここでよくつまずきます。 この本を読んで刺さったのは、まず「ひとりは、間違える」という前提から始まるところでした。自分の中にある“買い手としての感覚”を掘り起こす作業を、ここまで丁寧に言語化してくれる本はなかなかありません。恥ずかしい感情も含めて、素の自分に取材すること。それが言葉の精度を変えるという話は、コピー以外の仕事にもそのまま応用できます。 もうひとつ大きかったのは、「ど真ん中の価値」を探す視点です。つい情報を盛り込みたくなる場面でも、本当に残すべき核を見極める。新幹線の「そうだ 京都、行こう。」の裏側の話や、商品名すら言わずに想像を促す広告の事例を読むと、言葉の“引き算”が持つ力に気づかされます。 さらに、呼びかけ方ひとつで受け手の反応が変わるという細部への意識も、実際の仕事にかなり効きました。「当たる」ではなく「行こう」にするだけで、人に届く温度が変わる。自分の文章を読み返すと、どこか他人事みたいな書き方が多かったなと気づかされます。 コピーに関わる人だけでなく、「伝える仕事をしているけれど、自分の言葉に自信が持てない」という人に刺さる本だと思います。僕自身、読みながら何度も立ち止まって、自分の文章との距離を測り直しました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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