
物語 イタリアの歴史II 皇帝ハドリアヌスから画家カラヴァッジョまで (中公新書)
藤沢道郎
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star総合評価 41/100
boltライト読書型
この本について
日常の中で、物事の背景をうまくつかめずに「表面だけ追いかけてしまっている気がする」というモヤモヤ、けっこうありませんか。歴史でも仕事でも、人や組織の行動の裏にある事情を想像しきれず、気づくと単純化した物語だけを信じてしまう。自分もそうで、視野を広げたい時に手に取ったのが、この『物語 イタリアの歴史II』でした。 印象的だったのは、歴史の大きな転換点が“善悪”では説明できない計算や葛藤で動いていることが、淡々と描かれているところです。例えばハドリアヌスの和平政策は、裏での粛清や世論操作を含めた「現実的な決断」として語られるし、アベラールの思想が弾圧を逃れた理由も、教会内部の力学が絡み合う中でようやく理解できます。さらに、芸術家の立場が社会構造の変化でどう変わっていくかなど、「時代の空気」の伝わり方が生々しい。単に出来事を追うのではなく、当時の人たちが何を恐れ、何に賭けたのかが立ち上がってくる感覚があります。 歴史を勉強したいというより、「物事の成り立ちを因果関係でつかみ直したい」という人に刺さる一冊です。ストーリーに酔うのではなく、世界の複雑さを少し冷静に受け止めたい時に、じわじわ効いてきます。
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