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ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」 (中公新書)

ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」 (中公新書)

伊藤章治

累計読者数3
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star総合評価 44/100
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この本について

日々こなす仕事の背景にある「歴史」って、つい忘れてしまいませんか。今や当たり前にある食べ物も、なぜここにあるのかを考えたことがないまま過ごしてしまう。自分もそうで、ふとした瞬間に「知っているようで、実はほとんど知らないまま触れているもの」の多さにモヤっとします。 この本が面白いのは、そんな日常の視界をひっくり返してくれるところです。例えば、ジャガイモがアンデスの標高四千メートル近い土地で生まれ、毒を抜くために凍結と解凍を繰り返して足で踏んで加工していた、という話。そのタフさゆえに世界中に広がり、国の命運まで左右していく。アイルランドの飢饉のように、 “豊かさを支えていたはずの作物が一気に人々を追い詰める” という皮肉な歴史にも触れられます。普段の食卓が、実は数百年分の試行錯誤の上に成り立っているのだと気づかされます。 もうひとつ印象に残るのは、フランスのパルマンティエの話です。捕虜生活で毎日食べさせられたジャガイモを、国を救う食糧として広めようとする。武力ではなく「人情の機微」を使って世の中を動かそうとする姿に、地味だけど強い意志を感じました。成果だけじゃなく「どう工夫したか」に物語があるのだと、仕事に引き寄せて考えてしまいます。 当たり前のものの来歴を知ると、日常へのまなざしが少し変わります。歴史や食の話が好きな人はもちろん、「いつも使っているものの背景を知りたい人」に静かに刺さる一冊です。

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