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厭魅の如き憑くもの 刀城言耶シリーズ (講談社文庫)

厭魅の如き憑くもの 刀城言耶シリーズ (講談社文庫)

三津田信三

累計読者数3
平均ハイライト数 15.7件/人
star総合評価 50/100
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この本について

日常の中で、自分の属している「家」や「土地」、あるいは育ってきた環境に無意識の重さを感じることってありませんか。誰が悪いわけでもないのに、そこに染みついた空気に振り回されるような感覚。抜け出したいのに、理由も構造もはっきりしないまま胸の奥に残るあのざらつきみたいなものです。 『厭魅の如き憑くもの』を読んで印象に残るのは、まさにその “理由の見えない重さ” が、村の歴史や家筋、憑き物信仰の細部として静かに積み重なっているところでした。読者が残した抜粋にも、上屋・中屋・下屋という呼び名の差、双子の巫女にかかる負荷、神櫛家への根深い序列意識、そして誰も見ていないはずの「はず」の瞬間──そんな断片が何度も出てきます。これらはただの設定ではなく、登場人物たちの行動や沈黙の理由になっていて、読んでいる側の「説明のできない息苦しさ」に、不気味な形を与えてくれるんです。 恐怖そのものよりも、恐怖を生む “構造” が知りたい人に刺さる作品だと思います。何が憑くのか、誰が選ばれるのか、なぜ村は語らないのか──そうした曖昧な領域に、少し光を差してくれる感覚があります。自分の悩みが解決するわけではないけれど、あのモヤモヤの輪郭がわずかに掴める。そういう読後感でした。

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