
この本について
仕事でも日常でも、頭ばかり使っている気がして、なんだか自分の感覚が鈍ってきたような不安ってありませんか。判断が遅くなったり、気づけば身体の声を完全に後回しにしていたり。自分でも気づかないうちに「脳だけで生きよう」としてしまうあの感じ、けっこう根が深いなと思っています。 『驚きの皮膚』を読んで驚いたのは、私たちが思っている以上に「身体の表面が判断している」という事実でした。高周波の音を耳より先に皮膚が拾っているとか、脳がなくても環境と身体表面のやり取りだけで“賢くふるまう”生き物はたくさんいるとか、そういう話が続くと、これまでの「脳中心」の世界観がゆっくり崩れていきます。皮膚の感覚の豊かさが脳の大きさそのものに影響するという視点も、身体と頭を切り離して考えるクセをいい意味で揺さぶってくれました。 読んでいて一番救われたのは、「判断って全部を自分が背負わなくていいのかもしれない」という感覚でした。身体が先に拾ってくれている情報があって、それを無視し続けているだけなのかもしれない。忙しさで思考が渋滞しているときほど、この視点がゆとりを作ってくれます。 自分の感覚をうまく扱えなくて悩んでいる人、あるいは「頭で考えすぎて疲れる」が口ぐせになりつつある人には、静かに刺さる一冊だと思います。
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