
この本について
組織で働いていると、「これ本当に自分が抱えるべき話なんだっけ…?」とか、「言うべきか迷うけど、黙っておいたほうが平和かも」とか、判断に迷う場面が続きますよね。上下関係や空気を読みすぎて、肝心の“原則”がどこか遠くに行ってしまう感じ、僕もよくあります。 『初陣―隠蔽捜査3.5―』は警察組織の物語ですが、そこで描かれる迷いや軋みは、民間で働く僕らにもそのまま刺さります。特に、情報が正しく届かないことでむしろ事態が悪化する場面や、「隠したいことほど早めに報告したほうが身のため」という感覚は、身に覚えしかありません。結局のところ、言いにくいことをどう扱うかで、あとあと背負う重さがまるで違うんですよね。 もうひとつ印象に残るのは、“自分が組織の一員である”という視点です。できないことまで背負い込んで勝手に苦しくなるのは、僕も何度もやってきた失敗で、「手に余るなら上に任せる」でいいんだ、と言われると肩の力が少し抜けます。そして竜崎のように、周囲の慣習や力関係に流されず、原理原則に立ち返ろうとする姿勢が、現場の混乱を少しずつ整えていく。その過程が妙にリアルで、読みながら「明日この考え方ちょっと真似してみようかな」と思えてきます。 上下関係の波に飲まれやすい人、言いにくい報告を抱え込みがちな人には、特に刺さる一冊です。
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