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叫ぶ臓器 (文芸社文庫)

叫ぶ臓器 (文芸社文庫)

麻野 涼

文芸社 / 2021-01-28

累計読者数3
平均ハイライト数 1.3件/人
推定読了時間 約4時間13分
star総合評価 30/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 42%

この本について

仕事の現場で、人の噂や組織の事情に振り回されて、何が正しくて何が自分の思い込みなのか分からなくなること、けっこうありませんか。人の足跡を追いかけているつもりが、気づけば自分の立ち位置まで揺れてくるようなあの感じです。今回の『叫ぶ臓器』の抜粋を見ていると、まさにその「揺らぎ」に反応して保存したんじゃないかと思いました。 たとえば、記者組合の結成手順を知人づてに探る場面。表向きの制度やルールよりも、人を伝ってしか分からない“現場の温度”に触れざるを得ない状況が描かれていて、ここに共感した人は多いはずです。私も仕事で同じように、水面下の交渉や、表には出てこない力関係を実感するたび、正解のない道を探っているような気分になります。また、兄の足取りを追って警察に出向くくだりには、手続きとしては淡々としていても、当事者の焦りや孤独が染み出すようなリアルさがあります。事実を一つひとつ拾っていくしかない状況の苦さが、静かに胸に残ります。 この本は派手な事件ものというより、登場人物たちの「どうにも片付かない不安」を一緒に歩く物語です。筋書きを追うというより、社会の仕組みと個人の感情がどう交差するのかを、自分の生活に置き換えながら読むタイプの作品だと思います。表に出ない圧力の中で踏ん張っている人や、人間関係の“見えない線”に敏感な人には特に刺さるはずです。 はっきりした答えがほしい時期より、むしろ迷いの中で何かの手触りをつかみたい時にそっと効いてくる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

先月まで、全日健康薬品の社員で、中国の上海工場で薬品管理部門の責任者をしていた兄の勤が、不通渓谷で遺体で発見された。勤は帰国後、成田空港から行方不明になっていた。兄の死から数日後、妹の紘子のもとに、中国から投函された兄からの手紙が届いた。その紙面には、「法輪功、悪魔のゼンニッポリン」と書かれていた——。「臓器移植」の闇をするどく抉る、衝撃の医療サスペンス!!
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