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三叉路ゲーム (文芸社文庫)

三叉路ゲーム (文芸社文庫)

麻野 涼

文芸社 / 2021-08

累計読者数3
平均ハイライト数 1件/人
推定読了時間 約8時間29分
star総合評価 35/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%

この本について

なんとなく日常の選択が全部「無難」に寄っていく時期ってありませんか。大きな決断じゃなくても、言いたいことを飲み込んだり、本当は違う電車に乗りたかったのに流されてしまったりして、後からふっとモヤモヤが残る。誰にもバレてないはずなのに、自分だけがじわっと痛みを感じるようなあの感覚です。 『三叉路ゲーム』の抜粋を読んだとき、ガラス片を裸足で踏んだような痛みを覚える場面に、読者が反応している理由が少しわかる気がしました。表面上は何事もなく進んでいくけれど、心のどこかで“ここじゃない”と感じてしまう瞬間。その小さな違和感が、本書では物語の選択や登場人物の立ち位置にじわじわ響いてきます。鉄道公園で好きなSLに好きなだけ乗る場面も、ただの描写以上に、「ほんの少し自由を取り戻す感覚」に近いものとして読めるはずです。 この作品が効いてくるのは、特別な悟りをくれるからではなく、自分の中にある揺れや迷いをそのまま抱えた人物たちが、どう進んでいくかを見せてくれるところです。自分の選択にひっそり痛みを覚えたことがある人ほど、物語の小さな表情に救われる瞬間があると思います。 こんな人に刺さる一冊です。自分の中の「本音」と「現実」のあいだでちょっと立ち止まっている人。

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