
死亡遊戯で飯を食う。【電子特典付き】 (MF文庫J)
鵜飼 有志 and ねこめたる
この本について
仕事でも人間関係でも、自分の判断が正しかったのか、あとから何度も巻き戻して考えてしまうことってありますよね。あのとき呼吸を整えておけば、別の言い方をしていれば、少し結果が変わったのかもしれない。そんな後悔と向き合うのが苦手な人ほど、この作品の奇妙なリアルさにひっかかると思います。 『死亡遊戯で飯を食う。』はデスゲーム系のライトノベルなんですが、派手さ以上に「人の判断の揺れ」とか「責任の取り方の限界」みたいな、普段の生活にもつながる感覚が刺さるんですよ。幽鬼が“ゲーム中は無責任でいる”と決めているのに、結局それを完全には守れないところとか、自分のせいで仲間の運命が変わったかもしれないと悔やむ場面とか、読んでいるこちらまで心の奥がざわつく。こういう“割り切れなさ”って、実際の生活でもよくあるなと思わされます。 さらに、この物語が面白いのは、登場人物たちの反応が妙に生活感のあるところです。極限状態でも、服装が恥ずかしいとか、他人が手を挙げやすいように先に挙げてみるとか、そういう細かい感情の揺れがとても人間らしい。だからこそ、誰かを利用する・無視する・助けるといった選択が、単なるゲームルールじゃなく、読者自身の“迷い”に重なってくるんですよね。 極端な状況を描いているのに、読後はむしろ日常の判断が少しだけ見やすくなるような不思議な本です。肩ひじ張らずに読めるけれど、自分の弱さや迷いとどう向き合うかをそっと考えさせられます。 こんな人に刺さると思います。自分の決断にいつも自信が持てないまま、それでも前に進もうとしている人。
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