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死ぬことと見つけたり(上)(新潮文庫)

死ぬことと見つけたり(上)(新潮文庫)

隆慶一郎

新潮社 / 1994-09-01

累計読者数7
平均ハイライト数 4.1件/人
推定読了時間 約4時間10分
star総合評価 38/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 19%

この本について

日々やることに追われながら、「この判断でいいのか」とか「もっと慎重になるべきだったかも」とか、後からぐるぐる考えてしまうことが自分にもよくあります。頭で理由を並べてはみるものの、どうしても腹が据わらない瞬間ってありますよね。そんな時に『死ぬことと見つけたり』を読むと、いきなり励まされるわけではないのに、妙に視界が澄むような感覚がありました。 作中の杢之助たちは、常に「明日のない今日」を生きています。愚かな喧嘩であれ、一瞬の選択であれ、後悔しないよう全存在を賭ける。その姿を見ていると、覚悟というと大げさですが、「いま自分が腹を括れる範囲はどこか」を探る気持ちが少し育つんです。理屈を積んでも全部あとづけだという指摘も、仕事で判断に迷う場面と妙に重なります。 もう一つ印象的なのは、彼らが毎朝「死ぬことを思念する」シーンです。極端に聞こえるのに、やっていることは要するに、不安や見栄を一度リセットして一日を始めるという態度なんですよね。自分の中でも、失敗したらどうしようと思いすぎて動けなくなる時ほど、視点をゼロに戻す作業が効くなと感じます。 戦や主従の描写も多いですが、物語が伝えてくるのは「どう生きるべきか」ではなく、「人は何を決めきれずに揺れてしまうのか」という部分です。だからこそ、迷いながら働いている人、判断の重さに疲れてしまった人には特に刺さると思います。自分の弱さごと読み進められる、そんな一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求馬と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。
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