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かくれさと苦界行(新潮文庫)

かくれさと苦界行(新潮文庫)

隆慶一郎

新潮社 / 1990-09-27

累計読者数3
平均ハイライト数 28件/人
推定読了時間 約5時間13分
star総合評価 67/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 45%

この本について

仕事でも人間関係でも、「表面に出てくる問題ばかり追って、結局なにも変わらないな…」と感じる時期ってありますよね。相手の感情でも、自分の迷いでも、目の前の“症状”だけをいじっても根が動かない。分かっているのに、どう扱えばいいのか掴めないまま日々が過ぎる。僕もずっとその繰り返しでした。 『かくれさと苦界行』を読んでいると、その“根”の部分に向き合う強さを淡々と描かれていて、ふいに背筋が伸びます。たとえば上手い医者の話にしても、恋や情けにしても、斬り合いにしても、みんな「表に出ている現象じゃなくて、そこに至る心や覚悟の深部」を扱っているんですよね。誠一郎が感情の砂漠みたいな心から、誰かの情けの一言で水が湧く場面なんて、自分の中の硬さをそのまま見せられているようでした。人をもてなす一念が知恵になる、というくだりも、妙に刺さるんです。無理に策を練るより、相手をちゃんと見るほうが早いんだよな、と。 物語としての豪快さとは別に、読んでいくうちに「人をどう受け止めるか」「自分の過去との折り合いをどうつけるか」という現実的な感覚が残ります。派手な教訓じゃなく、登場人物が自分の矛盾を抱えたまま進む姿が、こちらの迷い方と地続きなんです。 自分の感情の扱い方に行き詰まりを感じている人。あるいは、強さって何なのか掴めないまま大人になった気がしている人。そんな人にじわっと効いてくる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

徳川家康より与えられた「神君御免状」をめぐる裏柳生との争いに勝ち、松永誠一郎は色里・吉原の惣名主となった。だが、一度は敗れながら、なお執拗に御免状を狙う裏柳生の総帥・柳生義仙の邪剣が再び誠一郎に迫る。加えて吉原を潰すべく岡場所が各所に乱立し、さらに柳生の守護神・荒木又右衛門も江戸に現れた。ついに吉原と裏柳生全面対決の時が――。圧倒的迫力で描く時代長編。

目次

かくれさと苦界行 張りの吉原 隆慶一郎とその世界 解題
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