
そしてドイツは理想を見失った (角川新書)
川口マーン惠美
KADOKAWA / 2018-03-09
この本について
国や社会の話になると、どうしても「正しさって何だっけ」と迷ってしまうことがあります。議論が先鋭化していく空気に疲れたり、異なる意見を口にしづらくなったり、どこかで「これでいいのか」と落ち着かない感じが残る。僕自身もそんなモヤモヤを抱えたまま、ニュースを追うだけでは整理できない感覚がずっとありました。 『そしてドイツは理想を見失った』が面白いのは、ドイツという国が理想・罪悪感・現実主義の間で揺れ続けてきた“生の葛藤”を、かなり具体的に見せてくれるところです。たとえば、民主主義を守るためという大義のもとで言論が静かに締めつけられていく矛盾、理想主義と現実主義の衝突を「見なかったことにする」国民性、そしてEUや対中関係の裏側にある損得勘定。きれいごとでは片付かない現実が、歴史と現在の両面から描かれます。読むほどに、「理想に向かうこと」と「自分の頭で考えること」は別物だと気づかされる感覚がありました。 特に、異なる意見が表に出にくい日本で暮らしていると、ドイツの激しい討論文化や、理想を追う姿勢の裏側にある不安や焦りを見ることで、自分の立ち位置をもう一度考え直すきっかけになります。誰かの価値観に合わせて生きるのではなく、「どうしてそう考えるのか」を丁寧に見つめたい人に向いている本だと思います。 こんな人に刺さるのは、社会のニュースを追うたびに「本当のところはどうなんだろう」と立ち止まってしまうタイプの人です。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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