
Sexual Violence Against Men in Global Politics (Interventions) (English Edition)
Marysia Zalewski、Paula Drumond、Elisabeth Prugl、Maria Stern
Routledge / 2018-05-11
この本について
ときどき、自分が知っているつもりの「暴力」の範囲が、実はすごく狭かったんじゃないかと不安になることがあります。特に、男性に対する性暴力の話題は、情報自体が少ないうえに語られ方も偏っていて、どこから理解を深めればいいのか迷う人は多いと思います。僕も同じで、見えにくいものをどう扱えばいいのかずっと手探りでした。 この本は、その「見えにくさ」自体を問い直すところから始まります。読者が保存していた抜粋にも、discursive や contextual といった言葉が多いのは、単なる事件の記録ではなく、それがなぜ周縁化され、どんな前提のもとで語られにくくなるのかを丁寧にほどいているからだと思います。たとえば、男性の被害が「社会構造の力の不均衡として認識されにくい」ことや、暴力そのものが特定の言語や規範の中で別の意味づけをされてしまう点など、普段見落としている視点をいくつも突きつけられました。こういう理解が積み重なると、当事者にどう寄り添うかだけでなく、そもそも何が起きているのかを捉え直す足場ができます。 刺激的な内容というより、静かに問いが残る本です。知識として距離を置くのではなく、現実に起きている複雑さを正面から見たい人に向いています。特に「なぜ男性被害だけが語られにくいのか」という違和感を持っていた人には、腑に落ちる材料が多いはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの63%が集中しています。
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