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43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層

43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層

石井光太

新潮社 / 2020-12-23

累計読者数6
平均ハイライト数 3.8件/人
推定読了時間 約3時間44分
star総合評価 52/100
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この本について

最近、ニュースで事件を見ても「なぜここまで行ってしまうのか」がどうしても掴めないまま、モヤモヤだけが残ることがあります。誰が悪い、社会が悪い、と言い切るのも違う気がする。でも何が起きていたのかを知ろうとすると、表面的な情報ばかりで核心に触れられないまま終わってしまう。そんな気持ちのまま日常に戻ること、けっこうあると思います。 この本が効くのは、その“わからなさ”に向き合うための視点を静かに積み重ねてくれるところです。たとえば、保護観察の仕組みが形だけで終わっていたこと。事件の裏でアルコールや関係性の欠如がどう作用していたのか。そして、当事者の家族ですら真相に触れられない情報の壁。読者が保存していた抜粋を見ると、「責任が宙づりのまま放置されている場所」に強く反応している人が多いのだと思います。私自身も、暴力の瞬間だけを切り取る報道では見えない“積み重なった空白”に心がとまってしまいました。 ただ、この本は怒りを煽るものではありません。むしろ、関係が途切れていく瞬間や、小さな違和感が積み重なるプロセスをていねいに拾い上げていて、読んでいて何度も「もしあの時、誰かが別の声をかけていたら…」と立ち止まらされます。安全網から落ちたあと、最後に残るはずの人間関係すら機能しなかった現実を描いているからこそ、読者それぞれの“身近な距離感”の話として読めてしまうはずです。 表面的な犯人像では納得できない人。事件の背景を知りたいというより、「人が追い込まれていく過程」を理解したい人。そういう人にこそ届く本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

2015年2月20日未明、凍てつく風が吹きつける多摩川の河川敷で、上村遼太君は全裸で息も絶え絶えに草地を這っていた。カッターで全身を43カ所も刺されて――。後に殺人などの容疑で逮捕された3人の未成年者が法廷で明かした理不尽な殺意。彼らに反省の色はない。そして互いに責任を擦り付け、攻撃し合う被害者の両親……。無辜の少年はなぜ命を奪われたのか。緻密な取材を基に深層を炙り出す。
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