
ルポ 虐待 ――大阪二児置き去り死事件 (ちくま新書)
杉山春
筑摩書房 / 2013-09
累計読者数4
平均ハイライト数 16.3件/人
推定読了時間 約5時間18分
star総合評価 64/100
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この本について
ときどき、頑張っているつもりなのに「ちゃんとできていない自分」を直視できなくなることがあります。弱みを見せたら終わりな気がして、誰にも助けを求められないまま抱え込み、気づけば身動きが取れなくなる。そんな感覚を知っている人は多いと思います。 『ルポ 虐待 大阪二児置き去り死事件』は、そこにある“なぜそうなってしまうのか”を外から責めるのではなく、内側の崩れ方を丁寧に描きます。読みながら、責任感の強さが逆に人を追い詰める瞬間や、「良い親であろうとしすぎる」ことで助けを呼べなくなる構造が、他人事ではなく自分にも連なる問題として見えてきます。おしゃれが鎧になってしまう場面や、恥ずかしさが人を沈黙させる描写は、表面だけでは分からない心の使い方を静かに突き刺してきます。 この本が効くのは、誰かを“判断”したい時ではなく、「どうして助けを求められない人が生まれてしまうのか」を知りたい時です。母子密着が自立を奪うという指摘や、支援があるだけで表情が変わる様子など、社会の手の届き方が変われば未来も変わるのだと実感します。読み終えた後、誰かの行動を単純化して理解しようとするクセが、少しだけ揺らぎます。 刺さるのは、「弱さの扱い方に悩んでいる人」。自分のこととして読み始めてしまう一冊でした。
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出版社による紹介
二〇一〇年夏、三歳の女児と一歳九カ月の男児の死体が、大阪市内のマンションで発見された。子どもたちは猛暑の中、服を脱ぎ、重なるようにして死んでいた。母親は、風俗店のマットヘルス嬢。子どもを放置して男と遊び回り、その様子をSNSで紹介していた...。なぜ幼い二人は命を落とさなければならなかったのか。それは母親一人の罪なのか。事件の経緯を追いかけ、母親の人生をたどることから、幼児虐待のメカニズムを分析する。現代の奈落に落ちた母子の悲劇をとおして、女性の貧困を問う渾身のルポルタージュ。
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