
女子高生の裏社会~「関係性の貧困」に生きる少女たち~ (光文社新書)
仁藤 夢乃
この本について
最近、「困っている子どもにちゃんと届く支援って、どうしてこんなに難しいんだろう」と考えることが増えました。制度はあっても、そこに来られない子には届かない。見えないところで誰かが落ちていくのを知りながら、自分は何もできていない気がする……そんなもやっとした感覚を持つ人、多いと思います。 この本は、裏社会が少女たちに“なぜ届いてしまうのか”を、関係性の不足という角度から具体的に描いています。読んでいて一番刺さったのは、裏の世界が甘い言葉で誘っているのではなく、生活や居場所を含めた“実際に助かる仕組み”を用意しているという点でした。表側の支援がスカウトどころか出会いにすら至っていない現実を、こんなに丁寧に描いた本はほとんどありません。また、少女たちが「わかってくれる大人がいない」と口にする場面は、自分の関わり方にも容赦なく突きつけてきます。向き合うとは何なのか、関係性をつくるとは何なのか、読みながら何度も立ち止まりました。 もうひとつ大きいのは、少女たちが“危うい世界に行く理由”を、判断力や家庭環境だけで片付けず、日常の具体的な選択として描いているところです。「この店はホームページがあるから安心だと思った」という一言の重さに、現場のリアルが詰まっています。表面的な道徳では届かない理由がはっきり見えてきます。 身近な誰かが困っていたとき、「どう向き合えばよかったんだろう」と心に残り続けている人に刺さる本です。僕自身、読み終えたあともしばらく考え込むほど、視点を揺さぶられました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
読書の順序
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