
『良い戦略、悪い戦略 (日本経済新聞出版)』
リチャード・P・ルメルト and 村井章子
日経BP / 2012-06-26
356人の読書データから読み解くレビュー
目標と戦略をごっちゃにしている人のための、思考整理の教科書
戦略的思考を身につけたい人には間違いなく読むべき一冊です。ただし、完走率24%が示すように、最後まで読み切るには相当な集中力が必要な本でもあります。
356人の読書データ上、総合評価79点の高評価本
check_circleこの本が向いている人
- +課題はあるが何から手をつけていいか分からずモヤモヤしている人
- +目標設定はするが具体的な打ち手が見えずに困っている人
- +戦略っぽい資料は作れるが本当に効果があるのか疑問を感じている人
- +リソースが限られる中で最大の成果を出したいと考えている人
arrow_right_alt他の本が合うかもしれない人
- –すぐに使える戦術やテクニックを求めている人
- –軽く読める実用書を探している人
- –抽象的な思考よりも具体的なアクションプランが欲しい人
戦略的思考を身につけたい人には間違いなく読むべき一冊です。ただし、完走率24%が示すように、最後まで読み切るには相当な集中力が必要な本でもあります。 向いている人: 向いていない人:
仕事で壁にぶつかったとき、つい「もっと頑張ろう」「売上を伸ばそう」と結果そのものを課題にしてしまいがちです。でも目標だけを積み上げても、手がかりが見えずモヤモヤが増すばかり。『良い戦略、悪い戦略』は、そんな状況に対して「何が本当の問題なのか」を静かに突きつけてくれる一冊です。347人の読者が平均108.1箇所に注目し、精読型の読まれ方をしているこの本は、戦略思考の本質を学びたい人にとって避けて通れない教科書と言えるでしょう。
categoryこの本が扱っているテーマ
戦略と目標の本質的区別expand_more
戦略と目標の本質的区別
多くの人が陥る最大の罠は、目標を戦略だと思い込むことです。「売上20%成長」は願望であって戦略ではない。この本が教えてくれるのは、戦略とは「どこに力を集中するか」を決めることだという根本的な視点です。読者が前半に注目を集中させているのは、この区別が腑に落ちる瞬間の衝撃が大きいからでしょう。テンプレを埋めるだけの「戦略っぽいもの」を量産しても意味がないと気づかされます。
リソース集中による効果最大化expand_more
リソース集中による効果最大化
戦略の本質は選択と集中ですが、この本はその「集中」の意味を根本から問い直します。DARPAやトヨタの事例を通じて、限られたリソースをどこに投入すれば最大の効果を生むかという思考プロセスが見えてきます。読者の注目が高いのは、抽象論ではなく具体的な企業の判断基準が示されているからです。自分の強みをどこにぶつけるかという視点で、仕事の景色がクリアになる体験ができます。
競争優位の構築と維持expand_more
競争優位の構築と維持
セブン-イレブンの事例が示すように、真の競争優位は一時的な成功ではなく、持続可能な仕組みの構築にあります。この本が優れているのは、競争優位を「作る」だけでなく「維持する」ための条件まで踏み込んでいる点です。読者が深く読み込んでいるのは、単なる成功事例の紹介ではなく、その背後にある構造的な強さの秘密が解き明かされているからでしょう。
組織慣性への対処法expand_more
組織慣性への対処法
組織は変化を嫌う生き物です。この本が扱うのは、そんな組織慣性をどう乗り越えるかという現実的な課題です。戦略を立てても実行されない、新しい取り組みが定着しないという悩みに対して、組織の性質を理解した上での対処法が示されています。精読型の読まれ方をしているのは、この部分が多くのリーダーにとって切実な問題だからです。
将来予測に基づく意思決定expand_more
将来予測に基づく意思決定
不確実な未来に対してどう判断を下すか。この本は予測の限界を認めながらも、それでも意思決定をしなければならない現実に向き合います。完璧な情報がない中でも、状況の中にある一つか二つの決定点を見極める技術が学べます。読者が注目するのは、曖昧さを排除して本質を見抜く思考法が具体的に示されているからでしょう。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
この本の読者はこんな本も読んでいます
読者のジャンル傾向
この本の読者が他に読んでいるジャンルの割合
info読む前に知っておきたいこと
この本は精読型の読書体験になることを覚悟してください。1人あたり平均108.1箇所に注目している数字が示すように、軽く流し読みできる本ではありません。注目箇所が前半に集中しているのは、序盤で提示されるフレームワークや核心的な考え方が、その後の理解の土台になるからです。
推定完走率24%という数字は決して低くありません。むしろ、最後まで読み切った人の満足度の高さを物語っています。途中で挫折しても前半だけで十分な価値がありますが、できれば腰を据えてじっくり読むことをお勧めします。具体的な企業事例が豊富なので、ビジネス経験があるほど理解が深まる構成になっています。
arrow_forward読書の前後で読まれている本
この本の前に読まれた本
『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』と『ストーリーとしての競争戦略』が続けて読まれているのは、戦略思考から実践的な問題解決技法へと学びを発展させたいニーズの表れです。前者は戦略を具体的なアクションに落とし込む技術を、後者は戦略をストーリーとして組み立てる視点を提供してくれます。
同じ著者の『戦略の要諦』を読む人が多いのは、この本で得た基礎的な理解をさらに深めたいという意欲の現れでしょう。『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」』は、戦略論を経営学全体の文脈で理解したい人向け。『insight』が選ばれるのは、戦略的思考を自己認識に応用したいという発展的な学習意欲を示しています。
compare_arrowsこの本 vs 似た本 — どれを選ぶべきか
併読データを見ると、『イシューからはじめよ』との相性が最も高いことが分かります。両書とも「何が本当の問題か」を見極める重要性を説いていますが、アプローチが異なります。『イシューからはじめよ』は個人の知的生産術に焦点を当てているのに対し、『良い戦略、悪い戦略』は組織レベルの戦略思考を扱っています。
『苦しかったときの話をしようか』も多く併読されていますが、こちらはキャリア戦略に特化した内容です。個人のキャリア設計から学びたいなら森岡毅の本を、組織運営や事業戦略の基礎を固めたいならルメルトの本を選ぶべきです。
『外資系コンサルの知的生産術』との併読も目立ちますが、これは戦略思考を日々の業務に活かすためのスキルセットを求めているからでしょう。まず戦略の本質を理解したいなら『良い戦略、悪い戦略』から。具体的な仕事術が欲しくなったら山口周の本へ進むのが効率的です。
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