
共依存 苦しいけれど、離れられない (朝日文庫)
信田 さよ子
朝日新聞出版 / 2023-06-07
この本について
人づきあいで「頼られるとうれしいのに、いつの間にかしんどくなっている」とか、「助けているつもりなのに、相手も自分もどこか消耗していく」という感覚、けっこう言葉にしづらいまま抱えがちだと思います。相手のために動いているはずなのに、気づくと相手の弱さを必要としていたり、自分の存在価値と結びつけてしまったり。その流れをどこで止めればいいのか、僕自身よく迷ってきました。 信田さよ子さんの『共依存』は、ここを「心が弱いから」みたいな雑な話にせず、関係の中で何が起きているのかを淡々と描いてくれます。読者が保存した抜粋にもあるように、この本は“依存そのものが悪い”とは言いません。むしろ、同じ地面に立って寄りかかり合うことは自然なことだと。ただ、相手を弱者として扱うことで自分の役割を維持しようとする時、それが支配に変わっていく。そのメカニズムを、家族の事例や社会背景とあわせて丁寧に示してくれます。 個人的には、「弱さを助けることで自分の位置を確かめていたかもしれない」という視点をもらえたのが大きかったです。相手のためと思っていた行動が、実は自分を守るためでもあったと気づくと、関係の持ち方を少し変える余地が見えてくるんですよね。この本は、その一歩を踏み出すための“地図”のような役割をしてくれます。 自分と誰かの境界が曖昧になりやすい人、人を助ける役割からなかなか降りられない人には、とくに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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