
家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ (角川新書)
信田 さよ子
KADOKAWA / 2021-03-10
この本について
家族のことで悩んでいるときって、「自分の感じ方がおかしいのかな」とか「もっと我慢すべきなのか」と、判断の軸そのものが揺れてしまう瞬間があります。特に、家の中で起きていることが“外から見えない”種類の問題だと、なおさら言葉にしづらいまま抱え込んでしまいがちです。 この本は、まさにその見えにくさに光を当ててくれます。家族の中で起きる支配や緊張を、「誰が悪いか」ではなく「どう動けば状況が変わりうるか」という視点に置き換えていく。その具体性がまず大きいです。たとえば挨拶の仕方を変える、主語を“私は”に戻す、といった一見ささやかな行動が、家族という空間のルールを書き換える最初の一歩になるところ。さらに、親子関係を“美しいもの”として扱う社会的な前提そのものを疑い直す力もあります。親の言動がどれだけ無自覚に子どもを縛ってしまうのか、そのからくりが静かに見えてきます。 そしてもう一つ、この本が効くのは「家族を語るには、支配・被支配という政治的な言葉が必要になることがある」という指摘です。自分の中に染み込んだ“家族の常識”そのものが、実は自分を苦しめていたのかもしれない。そう気づけるだけで、状況との向き合い方が少し変わります。 家族の問題を「気のせい」で片づけられないと感じている人に、特に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
読書の順序
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