
仏教の思想【全12冊 合本版】 (角川ソフィア文庫)
増谷 文雄, 梅原 猛, 上山 春平, 櫻部 建, 梶山 雄一, 服部 正明, 田村 芳朗, 鎌田 茂雄, 柳田 聖山, 塚本 善隆, 宮坂 宥勝, 高崎 直道, and 紀野 一義
KADOKAWA
この本について
仕事でも生活でも、「正しさってどこにあるんだろう」と立ち止まってしまうことがよくあります。新しい考え方を知っても、翌日にはまた迷う。歴史や思想を学んでも、現代とどうつながるのかピンとこない。僕自身そんな感じで、何度も同じ場所に戻ってくるような感覚があります。 『仏教の思想』を読んでいて救われたのは、思想そのものが“迷いながら積み上がってきた歴史”として描かれているところでした。たとえば、仏教が「空」を理解するために老荘思想を借りた時期があったり、親鸞の言葉の重さが論理ではなく“心の真実”として扱われていたり、伝統だと思っていたものが実は時代の試行錯誤の産物だったりする。こういう視点に触れると、自分の迷いもどこか許される感じがします。 そしてもう一つ刺さったのは、「真に現代的なものは、同時に伝統的なものでもある」という指摘です。たえず新しさを追うより、同じ問いを何度も見つめ直すほうが深く届くことがある。ニーチェの永劫回帰の話と並べて語られていた部分は、まさに今の僕らに向いていると感じました。変わらないものに耐える姿勢が、自分の思考の軸を少しずつ作ってくれる。 この本は、歴史的事実を知るためというより、「考えるスピードをゆるめたい人」に合うと思います。結論を急がなくてもいい、そんな余白をくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの42%が集中しています。
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