
アトミック・リーディング: 読むことと書くことから考える読書術
五藤隆介 and 五藤晴菜
イースト・プレス / 2020-04-17
この本について
読書って、気づくと「早く読まなきゃ」「もっと量をこなさなきゃ」と焦りが出てきませんか。私もずっとその罠にはまっていて、読んだはずなのに内容が残らないまま積み上がっていく本を前に、なんとなく自己嫌悪していた時期がありました。この本を読んで救われたのは、「遅い=悪」という感覚そのものを一度疑ってみよう、という視点でした。 本書が効いてくるのは、スピード重視の読み方から距離を置きたいと感じたときです。書かれた文章をただ追うだけの読書は、数学の答えを丸写しするのと同じで、自分の頭をほとんど使っていない状態だ、と指摘されてハッとしました。だからこそ、線を引くだけではなく、気になった箇所を自分の言葉で書き直す。その“書く”行為によって初めて、思考に余白が生まれて理解が深まる。さらに、読書は本を閉じた後のメモを書く時間まで含めてこそ成立する、という考え方もとても現実的で、実際にやってみると記憶の残り方がまったく違いました。 そしてもう一つ大きかったのは、「語れないのは能力の問題ではなく、やり方を知らなかっただけ」というメッセージです。ひとつひとつの小さなメモを積み重ねていけば、本の全体像を自分の手で再構築できる。大げさなテクニックより、ばかばかしいくらい簡単な習慣から始めればいいという温度感も安心できました。 読んだ本を“自分の血肉にしたい人”にはかなり刺さる一冊だと思います。自分なりのペースで、本との距離を少しずつ整えたいときに手元に置いておきたい本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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