
性犯罪者の頭の中
鈴木伸元
幻冬舎 / 201405
この本について
ときどき、自分の中にある「理解できない行動」への不安が顔を出すことがあります。ニュースで性犯罪の話題を見るたびに、何が人をそこまで突き動かすのか、自分や身近な人を守るには何を知っておくべきなのか、うまく整理できずにモヤッとしたまま終わってしまうことが多いと思います。僕も同じで、ただ怖がるだけでは何も変わらないけれど、感情論だけでは距離感もつかめないまま放置してしまっていました。 『性犯罪者の頭の中』は、そういう曖昧な「わからなさ」をほぐしてくれる本でした。怖さを煽るのではなく、行動パターンや思考のズレを淡々と描いていくので、読み終える頃には「なぜそうなるのか」の輪郭がつかめてきます。例えば、のぞき常習者が信じている“神話”の存在や、罪悪感を弱める思考のクセ(最小化、正当化、遠くのゾウなど)は、読みながら思わず自分の日常にも当てはめて考えてしまいました。また、性犯罪を単なる衝動ではなく「学習されていく行動」として理解すると、対策や距離の取り方のリアリティが変わります。さらに、犯行に至るまでに越えていく「四つの壁」の話は、ただの性格問題ではなく、環境と心理の積み重ねで生まれていく構造を示してくれます。 これは、加害者を擁護する本でも、恐怖を煽る本でもありません。人間の行動の裏側を、感情に流されずに見たいと思う人に向いています。特に、犯罪報道を見るたびに「結局どう理解すればいいのか」で立ち止まってしまう人には、現実的なヒントが得られると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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