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文庫 死にたい夜にかぎって (扶桑社BOOKS)

文庫 死にたい夜にかぎって (扶桑社BOOKS)

爪 切男

扶桑社 / 2019-11-15

累計読者数8
平均ハイライト数 3.8件/人
推定読了時間 約2時間58分
star総合評価 50/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 53%

この本について

大人になると自由になれると思っていたのに、実際はうまく甘えられなかったり、謝るタイミングを逃したり、子どもの頃より不器用になっている気がする。そんな自分にうっすら嫌気がさしつつも、どう直せばいいのか分からないまま日々が過ぎていくこと、ありますよね。僕もずっとそのタイプです。 『死にたい夜にかぎって』の抜粋を読んで、みんなが保存していた部分には、まさにその「大人のぎこちなさ」への共感がありました。できることが増えたはずなのに、大事なことほどできなくなっていく感じ。その痛みを、爪切男さんは自分のずるさや弱さごと正面から書いていて、それが妙に救いになります。完璧じゃなくていいと思えるのは、こういう“等身大の失敗談”に触れた時なんですよね。 もう一つ響くのは、人間はどこかに必ず隙間があって、それを他人に少し埋めてもらわないと生きていけないという視点です。強がって一人で完成しようとするほど苦しくなるけれど、人と暮らす中で起きる面倒ごとも含めて、「全部が自分を形づくっている」と思えると少しだけ呼吸が楽になる。本書はその感覚を、恋愛や仕事や生活の失敗の中でゆっくり思い出させてくれます。 うまく生きられていない自覚がある人ほど、この本は静かに沁みます。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

ドラマ化決定の話題作がついに文庫化。 愛が欲しくて愛に振り回された男の実話小説。 忘れたくない失恋(かこ)がある。 「君の笑った顔、虫の裏側に似てるよね。カナブンとかの裏側みたい」―― 憧れのクラスメイトに指摘された少年は、その日を境にうまく笑えなくなった。 “悲劇のようで喜劇な人生”を切なくもユーモア溢れる筆致で綴る作家・爪切男のデビュー作。 出会い系サイトに生きる車椅子の女、カルト宗教を信仰する女、新宿で唾を売る女etc. 幼くして母に捨てられた少年は、さまざまな女性たちとの出会いを通じ、少しずつ笑顔を取り戻 していく。 文庫には、アイナ・ジ・エンド(BiSH)による解説「死にたい夜を超えていく」を特別収録。 ドラマは2020年初春に放送予定。 私の笑顔は虫の裏側に似ている。 学校で一番可愛い女の子が言っていたのだから間違いない。 生まれてすぐに母親に捨てられ、母乳の出ない祖母のおっぱいを吸って育った。 初恋の女の子は自転車泥棒で、初体験の相手は車椅子の女性だった。 初めて出来た彼女は変な宗教を信仰しているヤリマンで、とにかくエロかった。 そして今、震度四強で揺れる大地の上で人生最愛の女にフラれている最中だ。 部屋の窓から鋭角に差し込む朝の光を浴びた彼女が、ヤジロベエのようにゆらゆらと揺れている 。
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