
事を成すには、狂であれ――野村證券創業者 野村徳七その生涯
福井 保明
この本について
仕事で決め切れなかったり、リスクを前に足がすくんだり、若い人に任せるべきと頭では分かっていても自分が抱え込んでしまったり。そんな時って、強さの定義がぐらつくんですよね。「慎重であること」と「臆病であること」の境目が曖昧になって、自分の判断を信じ切れないまま日々が過ぎていく感じがあります。 野村徳七の生涯を追うこの本は、いわゆる“豪傑の成功譚”ではなくて、「判断の一歩目をどう踏み出すか」を考えさせられる一冊でした。彼が危険に近づくほど興奮してしまうような人だったという描写が目立つ一方で、本当に心臓が削られるような勝負のあとには旅に出て憔悴している姿も描かれています。その落差が、人間の中にある“理性と本能のせめぎあい”を妙にリアルにしてくれるんです。また、部下に権限を投げて跳ね回らせたり、上場銘柄や新商品を増やしにいったり、とにかく一歩先に出ることにこだわる姿勢が、慎重に止まりがちな自分の背中を少し押してくれる感覚がありました。 もちろん、徳七の生き方をまるごと真似することはできません。家族との関係も、経営の厳しさも、読んでいて胸が痛くなる部分が多いです。でもそのぶん、「勇気とは綺麗ごとじゃないし、前に出ることは代償とセットなんだ」という現実的な視点が手元に残る。本って、こういう“生々しさ”があると急に血が通うんですよね。 静かに自分の判断力を鍛え直したい人、あるいは「先に進みたいけど、どうも踏み出せない」と感じている人には刺さると思います。
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多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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