
この本について
「やりたいことって何だろう」と考えても、ぼんやりしたまま一日が終わっていくことがあります。死についても同じで、頭のどこかでは気になっているのに、直視するのは怖いというか、つい後回しにしてしまう。気づけば、生きることそのものまで曖昧になっている感じがするんですよね。 この本を読んで驚いたのは、「死を考えること」が思った以上に日常的で、生々しいのに、どこか落ち着く営みとして描かれていたことです。例えば、食べたり飲んだりしなくなる理由を「死ぬべきときが来て必要がなくなる」と語る場面は、医療の専門用語よりも、ひとの自然な変化として腑に落ちました。また、本当に「寄り添う」とはどういう行動なのかを示すエピソードは、自分が誰かに何を差し出せるのかを考えるきっかけになります。そして、最期まで酒を飲む人、タバコを買いに行けるように一年かけてリハビリする人など、「その人らしい死に方」が淡々と語られ、空気が澄むような感覚が残りました。 結局のところ、死を避けずに触れると、生き方の輪郭が少しだけはっきりするんだと思います。欲張りすぎなくてもいいし、逆に後回しばかりでももったいない。そのバランスを探している人に、そっと効いてくる本です。 自分のペースで生き方を考えたい人に刺さる一冊だと思います。
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