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人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

玄田有史

慶應義塾大学出版会 / 2017-04-20

累計読者数5
平均ハイライト数 15件/人
推定読了時間 約6時間22分
star総合評価 57/100
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この本について

「人手不足って毎日ニュースになるのに、なんで自分の給料は動かないんだろう。」 働いていても転職を考えていても、ふとそんな疑問がよぎることってありますよね。企業側の言い分も、政策の狙いも、現場の実感といまいち噛み合わないまま時間だけが過ぎていく感じ。僕自身、このモヤモヤをどう扱えばいいのかずっと曖昧でした。 この本が面白いのは、「賃金が上がらない理由」を景気や企業のやる気といったざっくりした話にせず、評価制度や訓練の仕組み、人材の見え方といった“地味だけど現実的なところ”から丁寧に説明してくれる点です。たとえば、能力が上がっても賃金に結びつかないのは、賃金表という仕組みがそもそもそう作られているからだとか、企業内OJTが細ってしまうと、労働市場にそもそも「買える人材」が供給されなくなるといった話は、職場で感じていた行き詰まりと直結してきます。また、政策としての教育訓練やジョブ・カードの位置づけが、単なる制度説明ではなく「情報の非対称性をどう埋めるか」という視点で語られるので、自分のキャリアの置き場も少しクリアになります。 個人的には、正規・非正規の賃金差がなぜ固定化されるのか、そのロジックのほつれを一つずつ見える形にしていく必要があるという指摘が、胸に残りました。現場で感じる違和感を、社会全体の構造につなげて理解したい人に向いている本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

▼企業業績は回復し人手不足の状態なのに賃金が思ったほど上がらないのはなぜか? この問題に対して22名の気鋭の労働経済学者、エコノミストらが一堂に会し、多方面から議論する読み応え十分な経済学アンソロジー。 ▼各章は論点を「労働需給」「行動」「制度」「規制」「正規雇用」「能力開発」「年齢」の七つの切り口のどれか(複数もあり)を中心に展開。読者はこの章が何を中心に論議しているのかが一目瞭然に理解できる、わかりやすい構成となっている。 ▼編者の玄田教授はまず、本テーマがなぜいまの日本において重要か、という「問いの背景」を説明し、各章へと導く。最後に執筆者一同がどのような議論を展開したかを総括で解題する。 ▼労働経済学のほか、経営学、社会学、マクロ経済、国際経済の専門家や、厚生労働省、総務省統計局、日銀のエコノミストなど多彩な顔ぶれによる多面的な解釈は、まさに現代日本の労働市場が置かれているさまを記録としてとどめる役割も果たしている。
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