
ニヒリズムとテクノロジー
ノーレン・ガーツ and 南沢 篤花
翔泳社 / 2021-08-05
この本について
仕事でも日常でも、気づけば「どうやって効率化するか」「この不安を解決してくれる技術はないか」と、答えを外側に探しにいってしまうときがあります。手段を増やしているつもりなのに、どこか落ち着かず、視野がどんどん狭くなっているような感覚が残ることもあります。 この本の抜粋を読んだとき、自分が向き合っているつもりだったのはテクノロジーそのものではなく、「問題をすぐ外に委ねたくなる考え方」だったと気づかされました。著者は、テクノロジーを批判するでも礼賛するでもなく、まず人間側の姿勢に目を向けます。問題解決を急ぐほど、ユートピア的な期待と同時に、世界を空虚に感じてしまうニヒリズムにも飲み込まれうる。その指摘が妙に現実的で、日々の選択を少し違う角度から見直すきっかけになります。 読んでいて特に効いたのは、技術をどう扱うか以前に「何を不安に思っているのか」を丁寧に確認することの大事さが、具体的な例を通して腑に落ちるところです。また、万能な解決策を求めるほど思考が貧しくなるという指摘も、自分の行動を静かに振り返らせてくれました。テクノロジーとの距離感を整えるというより、まず自分の姿勢を整える一冊です。 こんな人に刺さると思います。便利になっているはずなのに、どこか気持ちが追いつかないと感じている人。
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