
港の世界史 (講談社学術文庫)
高見玄一郎
講談社 / 2021-11-11
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推定読了時間 約7時間29分
star総合評価 62/100
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この本について
歴史の本を読んでいると、「自分の仕事や生活とどうつながるんだろう」とモヤっとすることがあります。面白いのは確かなんだけど、日常の判断にどう効くのかがピンとこない、みたいな感覚です。僕も港なんて専門外だし、最初は完全に“遠い世界”の話だと思って読み始めました。 でも『港の世界史』は、抜粋にもあるように、港がただの物流拠点ではなく、技術革新や労働の仕組み、都市の成り立ちまで丸ごと動かしてきたことが淡々と示されていて、「人や組織がどう変わるのか」を考えるうえで妙に実感が湧くんです。例えば、古代の港が王権の倉庫だったところから、ベネチアの“商人が国をつくる”形へ移っていく変化を見ると、権力と経済の結びつきがどう更新されるのかが具体的に浮かんできます。また、アムステルダムの商人たちが株式組織で会社をつくったり、ニューヨークでコンテナ輸送や情報システムが進化していくところを見ると、技術と組織の関係がどうズレていくのかが腑に落ちるんですよね。 こういう視点を知っておくと、自分の仕事の中で起きている変化も「歴史の中で何度も起きてきた構造の一つなのかも」と少し落ち着いて見られます。遠い時代の話を読んでいるのに、不思議と現実の判断に足場ができる本です。地図や都市の成り立ちにワクワクするタイプの人には特に刺さると思います。
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出版社による紹介
港とは、いつの時代でもその時代の生産力と流通システムの決定的な影響を受ける、いわば「歴史の鏡」である。本書は、横浜で港湾経済史を研究してきた著者が、古代から現代までの世界の港の発達と、それをうながす生産・流通関係などの歴史を、ひとつの「物語」として描いた「港から見た世界史」である。 人類史上、漁労から発生した港は、古代オリエントや地中海、また中国においても、権力者が所有する軍事的・政治的な場であったが、やがて商取引を行う「交易の場」として発展を始める。ビザンチウムからベネチアへ引き継がれた中世の経済的伝統、大航海時代のセビリアやリスボン、オランダ全盛時代のアムステルダムを経て、産業革命期のロンドンに全く新しい時代の港が現れる。内陸の工業都市の発達により、それまでの商人船主は貿易商人と船主に分化し、港は単なる船着き場としての「ドック」から、巨大資本と行政によって多くのドックが統一された「ポート」へと変貌するのである。さらに20世紀後半には、ニューヨークに代表される大港湾で、コンテナ輸送とコンピュータ・システムによる「海運の大革命」が起こっている。 巻末解説を、イタリアの港町や東京など水辺の都市史の研究を深めてきた陣内秀信氏(法政大学特任教授)が執筆。〔原本:朝日新聞社、1989年刊〕
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