
民法(全)(第3版)
潮見佳男
日本実業出版社 / 2025-02-07
この本について
民法を勉強していると、「条文は分かるのに、何が争点で、どこが“判断のポイント”なのかがつかめない」というモヤモヤがつきまといます。特に、物権変動の対抗問題や、第三者概念、胎児の扱い、失踪宣告など、制度の言葉は知っていても、実際の場面でどう考えればいいかが急にぼやける瞬間があるんですよね。僕自身、判例の言い回しだけでは腑に落ちず、結局メモが散らかっていく…という状態が長く続いていました。 潮見佳男『民法(全)』は、その「霧がかかる瞬間」をていねいに言語化してくれる本でした。例えば、物権的請求権が行為請求権説と忍容請求権説でどう景色が変わるのか、94条2項の「第三者」の射程がどこで切れるのか、胎児の“生まれたものとみなす”制度がどの不都合を回避しているのかなど、条文の裏で動いている価値判断が一段深く説明されます。抽象論に逃げず、「この場面ではこう整理するのが妥当」という現実的な落としどころが示されるので、自分の理解の癖に気づけるのがありがたいところです。判例が何を前提にして結論を出しているのかが分かると、答案や実務の思考も少しラクになります。 特に刺さるのは、「私的自治」や「公示の原則」といった大きな原則が、失踪宣告・第三者対抗要件・法人格なき社団といった個別制度でどう形を変えて現れるのかが、自然に見えてくる点です。制度を暗記項目としてではなく、一本の線でつなげて理解したい人には、かなり相性がいいと思います。 民法を“知識の寄せ集め”ではなく、“考え方の積み上げ”として整理し直したい人に、とても向いている一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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