
快読 ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』 (講談社選書メチエ)
森一郎
講談社 / 2024-03-14
累計読者数5
平均ハイライト数 35.4件/人
推定読了時間 約6時間29分
star総合評価 65/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 18%
この本について
最近、読む量だけは増えているのに、自分の考えが深まっている感じがしない…そんな焦りみたいなものを抱えることがあります。知識は増えているのに、思考が置いてけぼりになるあの感覚です。ニーチェが言う「読むことや書くことにうつつを抜かして、考えることがお寒くなる」という指摘は、ちょっと胸に刺さりました。 この本は、『ツァラトゥストラはこう言った』を“難解な古典”としてではなく、「立ち止まって考えるための物語」として読み直すための手引きになっています。例えば、箴言体がわざと分かりにくく書かれている理由が“読者に考えさせるため”だと知ると、読み方そのものが変わりますし、鷲や蛇、綱渡り師や道化師といった象徴が、全部ツァラトゥストラの内面の分身なんだと理解できるだけで、物語が急に立体的になります。さらに「超人」は人間否定ではなく、人間的なものを過剰に引き受ける存在だと知ると、抽象論ではなく“自分の生き方の問題”として読めるようになります。 難解さの向こうにあるニーチェの「驚くほどのサービス精神」を感じられた瞬間、読書が急に自分ごとになりました。思考が停滞している人ほど、この本をきっかけにゆっくり立て直せる気がします。 自分の頭で考えたいけれど、どこから手をつければいいか迷っている人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
誰もがその名を知っているフリードリヒ・ニーチェ(1844-1900年)の代表作『ツァラトゥストラはこう言った』(1883-85年)――哲学史上に燦然と輝く古典であるとともに、ドイツが生んだ屈指の文学作品でもあるこの大著は、しかし本書の著者が手がけた新訳(講談社学術文庫)でも500頁をはるかに超え、いわば峻厳な高山に喩えることができるでしょう。 若い頃にチャレンジしたけれど挫折した……、いつかは読んでみたいと思っているけれど分厚さにひるんでなかなか手にすることができずにいる……。読破するにはあまりにハードルが高い、でも「あらすじ」を知っただけでは何も分からない。そんなかたのために、「声に出して読める訳文」を掲げた画期的な新訳を完成させた著者が立ち上がりました。 目次をご覧になっていただければ一目瞭然、本書はこの大著を順番に、ていねいに読んでいきます。しかし、そこにあるのは、しかつめらしい「哲学読解」ではなく、時には現代の事象に触れながら講義形式で進められる「快読」の実践です。「神は死んだ」、「永遠回帰」、「力への意志」、「超人」……ニーチェの代名詞となっている数々の概念は、なぜ、どのようにして生み出され、展開されたのか? 文学作品であるがゆえに即座には受け取るのが難しいその道程を、一歩一歩、現在位置を確かめながら前進し、はるか高みにまなざしを向けながら高峰を目指していく。そんな親切で愉しいガイド役と歩む至高の経験を本書は実現しています。 山にこもっていたツァラトゥストラは、なぜ下界に降りて自説を語り始めたのか? それは私たちにとって、どんな意味をもっているのか? コロナ禍の中で行われた講義を元にした本書は、「今だからこそ」読みたい古典を、「今でなければ」読めない古典として紹介する、他に類を見ない最良のガイドブックです。 いざ、高峰を目指して! [本書の内容] まえおき――「神は死んだ」から始まる物語 I 第一部を読む――超人思想と徳 II 第二部を読む――力への意志説とペシミズム III 第三部を読む――永遠回帰思想と孤独 IV 第四部を読む――同情問題と子どもたち あとがき――コロナ禍でのニーチェ講義
読んだ内容を、もう忘れない。
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