
監獄の誕生<新装版> : 監視と処罰
ミシェル・フーコー、田村 俶
新潮社 / 202004
この本について
仕事でも人間関係でも、「なんで自分ばかり管理されている感じがするんだろう」「別に誰かに命令されてるわけじゃないのに、いつも見られているような息苦しさがある」とモヤモヤすることがあります。誰が悪いわけでもないのに、どこかで力の流れに巻き込まれている感覚だけが残るあの感じです。 フーコーの『監獄の誕生』は、その曖昧な圧力の正体を、固有の「権力者」を探すのではなく、関係の網目として捉え直す視点をくれます。抜粋の部分に強く刺さる人は、おそらく「権力は誰が持っているか」ではなく「どう行使され、どんな形で自分の行動に入り込んでいるか」を知りたいタイプだと思います。見えないのに確かに働いている力を、“所有”ではなく“戦略の連鎖”として位置づけるフーコーの考え方は、日々の職場や家庭の中で感じる違和感を、個人間のトラブル以上のものとして理解する助けになります。 読み終えると、「自分はただ従わされているだけの存在ではない」という感覚も生まれます。権力は一方的な押しつけではなく、こちら側を通して作用し、こちら側からも跳ね返されるものだという視点が入るだけで、自分の立ち位置の捉え方が変わるからです。こんな人に刺さると思います。目に見えない枠組みの中で、なぜか身動きが取りづらいと感じている人。 読みやすい本ではないですが、日常の息苦しさを社会的な構造の中で整理したい時に、静かに効いてきます。
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ハイライト密度
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