
英文法を撫でる (PHP新書)
渡部 昇一
PHP研究所 / 1996-01-01
この本について
英語を読んだり書いたりしていると、「意味はなんとなく分かるけど、なぜそうなるのか説明できない」というモヤモヤが残ることがあります。学校で習った知識を寄せ集めれば理解した気にはなるけれど、細かい表現や語尾の違いに出会うと急に不安になる、そんな感覚です。僕自身、Merry Christmas の前に I wish が隠れているなんて、長く英語を触ってきたのに気づいていませんでした。 『英文法を撫でる』は、この“気づけていなかった前提”をそっと教えてくれる本でした。たとえば祈願と陳述の違いのような、文法書だとあっさり流されてしまう部分を、「なぜそういう言い方になるのか」という根っこから扱ってくれます。また、-s という小さな語尾に、副詞を生み出すほど強い働きがあるという話も、日々英語に触れる中で見逃していた視点でした。文法の細部が単なる例外処理ではなく、言語としての筋道を持っているんだと感じられるのが、この本の良さだと思います。 英語を“正しく覚えたい人”よりも、「英語の仕組みを理解したい人」に刺さる一冊です。暗記ではなく、背景にある考え方が分かると、ニュースの一文やメールのフレーズに対しても、なぜその形になるのかを自分で説明できるようになります。僕のように、細かい違いにいつもひっかかりを覚えてしまうタイプには、ずっと気になっていた疑問にゆっくり答えてくれる本でした。
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