
学力と階層
苅谷 剛彦
朝日新聞出版 / 2012-08-07
累計読者数3
平均ハイライト数 4.7件/人
推定読了時間 約4時間38分
star総合評価 44/100
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この本について
最近、「教育って本当に今のままでいいのか」と考える場面が増えました。自分の子どものことでも、自分自身の学び直しでも、制度そのものがどこに向かっているのか分からなくて、なんとなく落ち着かない。知識を詰め込むだけじゃもう限界なんじゃないか…という感覚を持っている人も多いと思います。 『学力と階層』は、そのモヤモヤを少し整理してくれる本でした。戦後の日本があえて中央集権で全国標準を作り、能力別の分断を持ち込まないことで「学力のばらつきが小さい国」を実現していた事実。そして80年代以降、新自由主義の流れの中で規制緩和が進み、習熟度別のクラス編成や競争型の仕組みがじわじわ浸透していった経緯。自分が「なんとなく」感じていた変化の理由が、一本の流れとして見えてきます。 特に刺さったのは、知識そのものよりも、「必要な情報を見つけ、使いこなす力」が求められる時代になったのに、制度の側は十分な検証をしないまま古い構造を壊し続けているという指摘でした。現場の違和感は、そのギャップから生まれているのかもしれません。 教育の話に限らず、「なぜ今こうなっているのか」を歴史的な流れで理解したい人に向いている本です。自分の立場や経験をそのまま持ち込んで読めるので、専門書だけど意外と腹落ちしやすい一冊でした。
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出版社による紹介
「学習資本」の階層差がますます拡大する日本の教育。これまで見落とされてきた「出身階層」という社会的条件の違いが子どもたちにもたらす決定的な差について豊富なデータをもとに検証する。子どもたちの「教育格差」の背景には家庭環境が反映していることを実証的に明かし、1990年代以降、迷走を続けた日本の教育政策の弊害を指摘する。深部で進む「教育の地殻変動」に学力問題の第一人者が説く処方箋。解説・内田樹。 (目次から)1章 階層で学力が決まるのか、学力が階層を作るのか/2章 義務教育の機会は平等に保たれているか/3章 これが教員勤務の実態だ―学校週5日制完全実施後の「教員勤務実態」調査報告から/4章 教育政策をめぐる論点、論争/5章 教育の綻びをどう修正したらいいか
目次
授業の理解度、学習意欲に示される格差 家庭的背景が学力に大きな影響を及ぼす 教育基本法改正が地域格差をもたらす 多様な価値観を否定する徳育教育 学習指導要領は学力を保証できるか 義務教育機会の不均衡化は経済格差を生む 現場の声に耳を傾けずに進めた教育改革 教育改革は子どものために有効ではない 戦後教育の軌跡と現況、将来の課題 『大衆教育社会のゆくえ』以降 学歴社会から学習資本主義社会へ 受験のレベルも授業のレベルも上げられない 「ダメ教師にムチ、優れた教師にアメ」政策は有効か 「自己実現」という名の迷路。フリーターからの脱出口はあるのか
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