
カラマーゾフの兄弟4 (光文社古典新訳文庫)
ドストエフスキー and 亀山 郁夫
累計読者数4
平均ハイライト数 2件/人
star総合評価 38/100
boltライト読書型
この本について
人と話していて、「いま自分は本音でしゃべれているのか?」とか、「この場に合った言葉を選んでしまってるだけなんじゃないか?」と、ふと立ち止まる瞬間があります。相手を気づかっているつもりなのに、どこか自分がズレていく感じ。気づけば、弱さや恥ずかしさをごまかすための道化みたいな振る舞いに逃げてしまうこともあります。 『カラマーゾフの兄弟4』を読んでいて刺さるのは、まさにその、言葉と感情のねじれをドストエフスキーが容赦なく描いてくるところです。他人に届かない言葉を話してしまう息苦しさや、習慣に流されて自分の判断がどこにあるのかわからなくなる不安。そして、破滅に向かう人を「罰する」のではなく「救いあげる」という視点が、読む側にもゆっくり効いてきます。人を裁く代わりに、その背景を覗き込んでしまう自分に気づくというか、あの「この人は何に押しつぶされてきたんだろう」という感覚が自然と芽生えていくんですよね。 この巻が静かに教えてくれるのは、強がりや皮肉の奥にあるものを見ようとするとき、言葉は必ずしも整っていなくていいということです。むしろ不器用なまま向き合うほうが、人の弱さに近づける。そんな読後感があります。 他人の振る舞いの裏にある「押しひしがれた感情」を理解したい人にとくに刺さる一冊です。
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